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飲食店が持つ特許
2008/03/04 21:39 [Tue]
category:企業戦略論
最近、子供を「回転寿司」に連れて行くのを躊躇し始めた。何せ良く喰うからだ。100円均一のお店なら未だマシだが、高級店には絶対に連れて行かない(行けない)。

ところで、「くら寿司」というお店をご存じだろうか? 最近、名古屋市の南区にも開店した。このお店は、大阪に本社を持つ「株式会社くらコーポレーション」が営業している。特に私との接点はないが、少し他の「回転寿司」とは違う。

この会社、お寿司屋さんなのに、特許だけで「19件」(権利化された案件)、公開された件数は「50件」もある。その中には、皿を回収する装置もある。この回収装置は、食べたお皿を投げ入れる回収口がテーブルの近くに設けられていて、回収した皿の数をカウントする。投げ入れられた皿は、コンベアにより調理場に搬送される。したがって、テーブル上には、皿がうず高く積まれることはない。テーブルの場所を取らないし、しとやかな女性も安心して沢山食べることができる(「あの子、あんなに食べている!」と思われる心配もない)。広いテーブルを用意する必要もない(実際には、他のお店と余り変わらないが)。皿の数え間違いもない。店員が通路を通って、バックヤードまで皿を運ぶ手間も省ける。

つまり、装置の導入には通常の搬送装置に比べてコストがかかるが、省力化と、皿の数を気にしない分、沢山食べて売上UPとなれば、十分採算に合う。しかも、他社が同じ装置を導入できない、という強みも発揮する。

通常、こうした装置は、特定の装置メーカーが、他の装置メーカーとの競争を有利に展開するために特許を取ることになる。「こんな仕組みがあったらイイのに・・・」と、どこかの店舗からアイディアが出れば、それをヒントに装置メーカーが特許を取る。装置メーカーは自社のために、そうした店舗側のアイディアを探す。「こんな仕組みがあったらイイのに・・・」と漏らしたアイディアは、やがて装置メーカーの営業努力により、どこの店舗でも使い始め、一般化する。

この「くら寿司さん」の回収装置は、おそらく社長の発案であろう。そして、それを自社で独占することに決めた筈である。現在、同社のホームページを見ると、全国で187店舗にまで成長している。

飲食店の競争は、言うまでも無く、味、価格、接客・・・という優先順位ではないかと想像するが、この中で独占できるものは殆ど無い。

「自社は、飲食店であって、装置メーカーではない」と考える場合もあるだろう。確かに、飲食店である以上、装置を量産して利益を得る訳ではない。「くら寿司さん」は、自社が独占して使用し、利益を上げることを考えたのだ。

サービス業が特許を取る実益も御一考あれ。


まだ、鼻がグスグスしています(涙)。

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