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独占へのスタートライン(ビジネスモデル特許)
2008/03/18 16:18 [Tue]
category:企業戦略論
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今日、ある方から「ビジネスモデル特許を取りたい」との電話があった。

この“ネタ”で相談を受けるケースは、以前よりは相当減ったが、最近でも、(今日のように)ちょくちょくある。

相談の中身は、我々の業界で言う「人為的取決」が多い。「あの会社にコレを頼み、エンドユーザーと取引ができたら、あの会社にコウする。」等と言うのがこの「人為的取決」だ。こうした“ネタ”は、「発明(技術)」ではないから、特許は受けられない。

実は私も、「ビジネスモデル特許」という言葉がアメリカから日本に来たとき、上記「人為的取決」がアイディアとして浮かんだ。と同時に、「そんな馬鹿な。」と言うのが本音だった。その後に特許庁からは、審査基準が出された。パソコンやプリンタ等の装置(ハード)をプログラムにより自動的に動作させる場合は、正に「発明」であるが、このことを一般の方々は知らない。故に、「人為的取決」に関する相談は多い。

この原因は、その名前にある。「ビジネスモデル」と「特許」という2つの名前が結合しているところに、その誤解がある。「ビジネスモデルが特許になるんだ〜」という誤解である。思えば、この「ビジネスモデル」と言う言葉もずいぶん普及した。ネットで検索すると、『ビジネスの仕組み。事業として何を行ない、どこで収益を上げるのかという「儲けを生み出す具体的な仕組み」のこと。』とある。

それまでにない「ビジネスモデル」を考え出した場合、「お〜、いいね〜」と思った瞬間、「他人にマネされる」と思う。ここから「独占しなければ。」となり、その度に、どこかの「特許事務所」の電話が鳴る。この電話を取って「ビジネスモデル」と言うキーワードが相談者から告げられると、弁理士は、上記「人為的取決」に関する先入観を持ちながら、先ずは「ふむふむ」と聞き、頃合いを見計らって、「実は、」と切り返す。

特許を取ることができる「ビジネスモデル」は、(という表現自体が、実はおかしなものではあるのだが、)ザックリ言ってしまえば、プログラムである。そのプログラムに、新規性や進歩性があるか否か。商品が違っていても、そのプログラムの手順が同じであれば、進歩性は否定され、特許を取ることはできない。

特許が取れない「ビジネスモデル」であると判明した場合、では次にどうするか?

特許が取れないか、と思う動機は、「他人の模倣」である。特許の取得は、「参入障壁の形成」の一手段にすぎない。

だとすれば、その次を考えよう!
○特許以外に「参入障壁」を形成することはできないのか?
○プログラムがない場合(或いはあったとしても普通のプログラムである場合)、商品・製品自体に特 長はないのか?
○利益の出し方を変え、又は顧客を変えて、一挙に需要を増やして、デファクトスタンダードとできない か?
○ビジネスモデルそのものを、マーケティングの点から再構築できないか?
○そもそもそのビジネスモデルの顧客は誰で、どのチャネルで売るのか?
○顧客が絞られたら、その商品・製品は、その顧客に対して最もウケル(便利,都合が良い,共感で きる,面白い,楽しい・・・)形状,構造,デザインとなっているか?
 
こうした試行錯誤の結果、実は、特許や意匠登録等で「独占」できる“ネタ”が生まれ、間接的に、その特許が取れない「ビジネスモデル」を守ることができるのである。

発想した「ビジネスモデル」、特許が取れないと判明しても、ビジネスとしては、未だスタートラインに立っているだけかも知れない。

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